縦スクロール
別表記: 縦読み, スクロール漫画, 縦スク, vertical scroll
縦スクロールとは、ページをめくらずにスマートフォンを下へスクロールして読む、一本の縦長の連続した紙面として組まれた形式です。ウェブトゥーンの標準形で、コマとコマのあいだの空白がテンポを決めます。
一列、一方向
紙のページは全体として構成されます。読者は一つのコマを読む前に紙面全体を 受け取るので、不規則なコマ割り、斜めの読み順、見開きが成立します。スマホではそのどれも残りません。 縦スクロールでは読者が見るのはほぼ1コマずつ、順序は固定、しかも次に何が来るかは見えない。 作法の違いはすべてここから出てきます。
画面の寸法と数字
実務上の標準は幅800pxの絵で、1600pxで描いて縮小するのが普通。高さは事実上無制限です。 プラットフォームは1話を画像スライスの積み重ねとして受け取ります。よくあるのは800×1280px。 多くの配信先は高さ2000px程度を超える単一画像や、数MBを超えるファイルを弾きます。スライスは 必ず間白の位置で切ること。顔や吹き出しを跨いで切ると、継ぎ目が端末に よっては細い線として出ます。
ビューポートは800×1400px程度を想定してください。それが実際の額縁であり、何よりも先に レイアウトを当ててみるべき枠です。
コマは縦長ではなく横長
ビューポートより高いコマは画面で切断され、読者は一度も全体を見ません。ウェブトゥーンのコマが 横長寄りなのはこのためです。本当に高さが要るとき──塔、落下、全身の披露──は意図的な演出に なります。読者は画像の中をスクロールし、帯状に発見していく。その扱いに値するカットだけに 使ってください。
空白がテンポの道具
紙の間白は数ミリですが、ここでは画面単位です。見せ場の前に600〜1500pxの平らな色やテクスチャを 置くと、読者は「何もない」をスクロールし、その何もなさが緊張になります。ギャグも縮尺を変えて 同じ仕組みです。短い空白のあと、オチのコマだけが何もない画面に単独で載る。
導かれる規則が二つ:
- 振りの真下にオチを置かない。 同じ画面に同時に載り、読まれる前に驚きが消えます。
- 話の最後は、長い空白を挟んだ単独の引きのコマで終える。 来週も戻ってくるかどうかは、 その最後の一画面が決めています。
何を失うか
めくり、見開き、そして構成としてのレイアウトを失います。読者の目を自由にさまよわせることも できません。読み順は絶対になります。引き換えに手に入るのはタイミングの精密な制御で、だから この形式はメロドラマ、じわじわ来る判明、引きに向いていて、六人が同時にしゃべる群像場面には 向いていません。
関連用語
- ウェブトゥーン — ウェブトゥーンは、ページをめくるのではなくスマートフォンを縦にスクロールして読むことを前提に、一本の連続した縦長の帯として描かれるデジタルコミックです。韓国で生まれ、現在は世界中で使われています。
- 間白(ガター) — 間白は、コマとコマの間の空白です。読者はその空白で2つの絵の間に何が起きたかを補完するため、間白の広さがそのまま飛ばした時間の量と、一拍をどれだけ持たせるかを決めます。
- コマ — コマとは、物語の一瞬を切り取った枠付きの一画のことです。枠が「その瞬間はここで終わる」と示し、コマの面積が読者の滞在時間を決め、コマの並びがそのまま時間の流れになります。
- マンファ — マンファ(manhwa)は韓国語でコミック全般を指す語ですが、日本や英語圏では韓国の作品、とくにフルカラーで縦スクロールのウェブトゥーンを指して使われます。漫画とは色、読み方向、連載単位が違います。